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シャクルトン
『シャクルトン』
原題;SHACKLETON
(イギリス・2002年)

20世紀初頭。
まだ未知の大陸だった南極大陸へ、冒険に出る者は多かった。
イギリスの冒険家、サー・アーネスト・シャクルトンも、過去に二度、南極点到達を試みたが、いずれも失敗に終わっていた。
そんな中、アムンゼン隊が人類史上初の南極点到達に成功、との一報がイギリスにも入る。
シャクルトンは次の目標として、前人未踏の南極大陸横断に挑むべく、新たに隊員を募り始める。
資金繰りに苦労しながらも、新聞社の協力や、支援者の出資により、出航の目処が立った頃、今度は、ヨーロッパ全土を巻き込む第一次世界大戦が今、まさに開戦しようとしていた。
だが、当時の海軍大臣、ウィンストン・チャーチルのはからいにより、シャクルトンと隊員たちは、いよいよ南極大陸横断の旅へと出発することになる。
『エンデュアランス号』、不屈の精神で克つ、とシャクルトンが名づけた船に乗って。

以前、放映されたときにも見ていたのですが、またまた見てしまいました。
そのときには、最初の三十分ほどが見れていなかったこともあって。
でも、二度目だったのに、やっぱり、このシャクルトン隊の運命を、息を詰めるようにして見守ってしまいました。
新年早々、お正月に見たTVの中で、これが一番、印象に残っていたというのもナニですね((^^;;

史実を述べてしまえば、シャクルトンは、南極大陸横断に失敗してしまいます。
でも、その失敗があったからこそ、彼の名前は、偉大なリーダー、冒険家として、今もまだ語り継がれていると言っても過言ではありません。

氷が緩むのを待っていたはずが、次々と押し寄せる氷の力に、人間はあまりに無力で、シャクルトンたちは、エンデュアランス号を捨てることとなり、そこから、彼らの本当の苦難が始まるのです。

このドラマの最大の見所は、何と言っても、誰も助けに来るはずもない南極で氷に阻まれ、遭難した、シャクルトン隊が、いかにして、このブリザード吹き荒れる厳しい極寒の地で生き延びようとしたか、そして、そこから無事に生還したか、に尽きるでしょう。
しかし、その厳しい世界は、また、あまりに美しく、穢されていない白の大地が持つ神秘さも、画面いっぱいに映し出され、自然の偉大さに圧倒されてしまうのです。

本当に南極でロケをしたわけではないと思うのですが、当時の彼らの生活の様子も、生き生きと描かれていて。
ドラマ前半では、たった一艘の船に数十名が乗って、長い冒険の旅に出たことの、厳しさや楽しさが伝わってきます。

そして、ドラマでは、このシャクルトンという、不屈の冒険家の内面を描いているのも、とても興味深いです。
資金集めのために、上流階級の人間と付き合い(彼自身も、「サー」の称号を貰っている、上流階級ではあるのですが)、晩餐会では、自分の果て無き夢を、自信たっぷりに語り続けます。
そうやって、ある意味、広告マンにもなりきらなければ、冒険に必要な金が集まらなかったわけです。
一方で、彼は自分の無力さ、非力さにも、強く打ちのめされ、一人で苦悩します。
そういった、この冒険家の二面性、強靭な精神とナイーブな面をも、主演のケネス・ブラナーは見事に演じていて。

南極で、もはや走行不可能となった船を捨てたあと、彼は、前人未到の冒険を達成するためではなく、27名の隊員全員の命を守り、全員が無事に祖国へ戻るため、想像を絶する飢えや寒さ、隊員内の不和など、さまざまな困難や問題に向き合いながら、氷に閉ざされた南極大陸からの脱出、それだけを目指すことになるのです。
彼ら隊員の命を預かったのは自分なのだから、何があっても、誰一人、死なせるわけにはいかない、と誓って。

きっと、この冒険、この失敗が彼自身を大きく変えたのだろうと思います。
でも、この失敗があってもまだ、彼は再び、南極へと向かうのです。
それが、冒険家ということなのか。
大きな名声をもたらすとはいえ、飢えや寒さ、極限の疲労を伴う冒険へと、敢えて挑まなければ生きていけないということなのかと、彼の冒険家としての人生には、驚愕するばかりです。
どうして、これほどの不屈の精神を持ち続けていられるのか。
これが、もっと強くありたい、誰も成し遂げたことのない冒険をしたいと願った男の生き様なのか、と。

このドラマでは、一年半に及ぶ、遭難したシャクルトン隊の悲惨な状況が、克明に描かれ、自然はこれほどまでに冷酷なものなのかと思い知らされます。
そして、それと同時に、人間の生きる力についてもまた、改めて、考えさせられるのです。

とにかく、TV映画とは思えないほどに、立派な作品で、オススメです(><)

★NHK海外ドラマ・ホームページ『シャクルトン』
ドラマの詳しいあらすじなども、こちらに載っています。
(やっぱり、ケネス・ブラナーって、好きだなあ・・・)



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★シャクルトン自身の著作として、何冊か文庫も出ています。

『エンデュアランス号漂流記』
アーネスト・シャクルトン著(中央公論文庫/2003年6月発行)
以前、このドラマを見た直後に、これがちょうど本屋に出ていたので、立ち読みして(すいません(笑))、シャクルトンのその後のこととかを知ったのでした。




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★ドラマにも出てきた、記録カメラマン、ハーレー(「王子」と呼ばれていた彼、ですね)が撮ったエンデュアランス号の写真も、本になっています。

『エンデュアランス号/シャクルトン南極探検の全記録』
キャロライン・アレグザンダー・著/フランク・ハーレー・写真(ソニー・マガジンズ刊)
これが、ハーレーが、すでに沈みかけている船を満たす冷たい水に、命賭けで飛び込みながら、救い出してきた乾板による写真か、と。
ものすごく、臨場感ありそう・・・(><)
(私はまだ本を見ていないのですが、寄せられているコメント全てが五つ★なのです。ぜひ一度、手にとって、見てみたいものです~(><))
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by akiko_mama | 2005-01-07 09:26 | TV