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チャイナタウン
『チャイナタウン』
CHAINATOWN
(1974年・アメリカ)

1930年代のロサンジェルス。
私立探偵のギティスは、ミセス・モーレイと名乗る、固そうな女性から、主人の浮気調査をして欲しいという依頼を受ける。
ミスター・モーレイは、水道局の役人だった。
ギティスが調査のために赴いた公聴会では、水不足に悩むロスの郊外の土地に、ダムを建設すべきか否かについての発表が行われており、モーレイは、その土地の土壌が問題だとし、ダム建設に反対を唱えていた。
その後、モーレイが夫人以外の若い女性と親密そうにしている現場を押さえたギティスは、証拠写真も撮り、これで調査も無事に終えたと思っていた。
だが、その浮気現場の写真が、どういうルートでか、ゴシップ新聞に暴露されることとなり、モーレイ夫人が、ギティスの探偵事務所に弁護士を従えて、乗り込んできた。
しかも、その美しい女性は、最初にモーレイの浮気調査を依頼した、ミセス・モーレイと名乗った女とは別人だった。
そして、数日後、ミスター・モーレイが溺死体として発見された。
自殺だとする警察の見解に反し、ギティスは、これがダム建設と関わる殺人だと推測するが・・・。

以前、チャイナタウンの警官を務めていた、ニヒルな私立探偵ジェイク・ギティス役には、ジャック・ニコルソン。
そして、どこか陰のある美貌の人妻には、フェイ・ダナウェイ。
巨匠ロマン・ポランスキーが手がけた、哀愁漂うハードボイルド映画です。

かなり前から、この映画が良いというのは、何度も耳にしていたのですが、やっと見ることが出来ました。
これでも、アメリカのハードボイルド、特に私立探偵物は結構、好きなほうで、お気に入りの小説もたくさんあるのですが、いったん、小説が映画化されると、どうも、原作のハードボイルド・タッチの雰囲気がうまく生かされていないなあ、と不満に思うことが多くて。
(たとえば、レイモンド・チャンドラーが作り出した私立探偵、フィリップ・マーロウ物など。ボガードがマーロウを演じた『三つ数えろ』は、まだしも、他の作品は、何だか、マーロウのイメージと随分違うなあと落胆した覚えが・・・)
それに反して、この映画は、徹頭徹尾、ハードボイルドな作品に仕上がっていて。
何者かに命を狙われながらも、タフに、謎に包まれた陰謀を追う私立探偵と、未亡人となった美しい人妻とのロマンス。

ポランスキー監督自身が、脚本家ロバート・タウンによる元の脚本に、かなり手を入れて、複雑なストーリーを分かりやすく仕立て直したというだけあって、映画の為のオリジナル作品でありながら、これがミステリ小説であれば、ぶ厚い一冊になりそうなところを、うまく、コンパクトにまとめています。
(アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞)
また、名匠ジェリー・ゴールドスミスによる、切ない、ジャジーな音楽もまた、30年代当時の雰囲気を大いに盛り上げています。

そして、やっぱり、何よりも、ジャック・ニコルソンの渋い演技と、フェイ・ダナウェイのカッコ良さ!
まさに、これこそがハードボイルドという、二人の大人の遣り取りは、絶品。
70年代の映画でも、古さを感じさせずに、十分に楽しめます。
CGやアクションといった小手先は無用。
シンプルな作りでも、これだけ完成度を上げられるんだという見本のような作品でしょうか。

探偵ギティスが殴られ、意識を失うと同時に、画面もフェイド・アウト。
そして、彼が意識を取り戻すと、カメラはギティスの目が捉えたものを映し出す、という手法を使って、観客がギティスと一緒になって、ストーリーを追い、謎を追っていけるように、映画を撮った、ということを監督が当時のインタビューで答えています。
今では、それほど、珍しくもない手法ではありますが、当時は、まだ、そんなに広まってはいなかったのかな?
ところで、ポランスキー監督自身も、ギャング役として出演しています。
すっごく、悪役顔です・・・((^^;;

そして、映画のラスト・シーン。
撮影日当日になっても、まだ、結末をどうするか、決めていなかったという、ポランスキー監督の言葉には驚かされますが。
結局、このような結末を迎えることになった、正義と悪とについての、監督のニヒルな視点には、やはり、彼自身の、ユダヤ人としてホロコーストを体験した子供時代の記憶が関係しているのかも知れません。


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このストーリーの続編が、『黄昏のチャイナタウン』という映画になっているとか。
同じく、探偵ギティスが主役で、監督は、そのギティス役のジャック・ニコルソン。
脚本は『チャイナタウン』と同じく、ロバート・タウン。
大好きなハーベイ・カイテルも出ているということなので、これもまた絶対に見てみたい作品ですね。
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by akiko_mama | 2005-02-26 10:55 | 映画