ルワンダ
2005年 08月 28日
このところ、あまり映画を見ないので、最近見た、印象的なTVのことなど。
アメリカのTV局、ABCのワールド・ニュースが時折、NHK-BS1で流れるので、好きでよく見るのですが。 その中で、先日、たまたま見たのが、映画『ホテル・ルワンダ』で主演したことがきっかけで、先月、映画のプロモーションのために、ルワンダを訪れたという、俳優ドン・チードルのルワンダ・レポートでした。 以前、ABCのドキュメンタリーに協力したことが、きっかけで、ドン・チードルが、今回もルワンダ・レポに協力したとのこと。 今回、ドン・チードルは、幼い娘たちと奥さんとともに、ルワンダを訪れていました。 そして、家族とともに、現在、ルワンダに住む子供たちの過酷な状況を、彼らから直接、話を聞くという形でインタビューが始まりました。 ルワンダでは、夜、子供たちが寝ている間に誘拐されていくというのです。 そして、逃げることも出来ずに、レジスタンス軍の少年兵として育てられ、そこで生きていくためには、人を殺すことさえ厭わないよう、教育されてしまうのです。 実際、幼少の頃に誘拐され、少年兵として生きてきた少年の告白がインタビューで流れました。 もう、何十人殺したか、覚えていない、と彼は言いました。 でも、そうしなければ、自分がレジスタンス軍の中で生かしてもらえない。 だから、何の罪もない人々を、理由もなく、ただ殺してきたのだと。 一方、幼い少女たちはレジスタンス軍に誘拐され、兵士たちの妻にされてしまうということでした。 まだ、女性でもない彼女たちを、無理矢理。 そんな少年少女たちが、今では、NPOに何人も助け出され、NPOのテントで更正に向けて暮らしていました。 でも、非日常的で残酷な日々を過ごしてきた彼らの心が休まり、普通の生活に戻るには、長い時間がかかるそうです。 我が子を誘拐されないために、親たちは、夕方になると、子供をNPOのシェルターに向かわせていました。 夜、NPOの大きなシェルターには、何十キロも離れた村から、何時間もかけて歩いてきた子供たちが何百人と集まってきます。 狭くて堅い床に雑魚寝のようにして寝ることになるけれど、攫われるよりは良いからと。 そして、子供たちは無事に朝を迎えると、今度はまた、何時間もかかって、村まで歩いて帰るのです。 そのあとで、学校に行く子もいました。 毎晩、こんな生活が続くのです。 自分の家ですら、安眠できない子供がいるという、この国の現状。 一緒に、この話を聞いていたドン・チードルの下の娘さん(七歳か八歳くらいかな?)は、その晩、眠れなかったと言います。 そして、「パパ、アメリカでも、こんなことが、いつか起こっちゃうの?」と尋ねたとか。 やっぱり、同じ年代の子供が、世界のどこかで、こんな境遇にあったことは、幼い彼女にとっては、とてもショックだったことでしょう。 ルワンダでは、また、エイズで死亡する率も高く、両親がエイズで亡くなり、孤児となってしまう子供たちも多いとのことでした。 ドン・チードルが主演した『ホテル・ルワンダ』とは、1994年のルワンダ大虐殺を描いた映画です。 2004年度アカデミー賞に何部門もノミネートされ、また、ナショナル・ボード・オブ・レビューや、トロント国際映画祭などでも、賞を得ました。 しかし、残念ながら、ドン・チードルを始め、ニック・ノルティ、ジャン・レノ、ホアキン・フェニックスなど、有名な俳優が出演し、高い評価を得た、この映画は、日本では公開されていません。 私も、アカデミー賞の授賞式の映像で、ノミネート作品として、この映画が紹介されているのを、ちらっと見ただけです。 日本では、現時点では、DVDも発売されていないようですし、映画配給される予定も無さそうです。 でも、そんな、この映画をぜひ見たい、という活動も始まっていることを、今回、知りました。 『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会です。 この映画についての解説や、活動内容なども紹介されています。 そもそもの活動の発端となったのは、ソーシャル・ネットワーキング・サイトmixi!の掲示板だったとか。 (というわけで、私もmixi!でのコミュニティに参加してみました★ だって、公開された暁には、絶対、見たいもの) ブログが世界を動かすような、そんなステキなことが起こればいいな、と思います。 ◆Cheadle Visits 'Hotel Rwanda' for 1st Time ドン・チードルがルワンダを訪れたときのABCニュースの記事です。 ◆HOTEL RWANDA Official Movie Site もちろん、英語ですが・・・。 アメリカでは、DVDが発売されています。 日本でも、発売されるといいなあ。
by akiko_mama
| 2005-08-28 19:37
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