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レッド・ドラゴン
『レッド・ドラゴン』
原題;Red Dragon
(2002年・アメリカ)

『羊たちの沈黙』、『ハンニバル』に続く、第三弾です。
時系列的に(そして、原作の発表順では)、『羊たちの沈黙』の前の話、となります。

連続猟奇殺人者であるハンニバル・レクター博士を、自ら傷つきながらも逮捕した、FBI捜査官のウィル・グレアム。
しかし、その事件をきっかけに、グレアムはFBIの職を辞して、家族とともに、フロリダの太陽の下にいた。
そこに、上司であった、ジャック・クロフォードが、新たな連続猟奇殺人の解決の糸口を求め、グレアムの下を訪れる。
グレアムでなければ、分かりえない、心理的直観を、ぜひ、事件解決に役立てて欲しいという。

また次の満月の日に、殺人が行われるだろう。それをなんとしても、阻止したい、というクロフォードの熱意に負けて、グレアムは再び、捜査の第一線に立つ。
だが、出来ることには限りがあった。
ただ、以前、解決した事件の時のように、レクター博士の助言を得れば、何か手掛かりが見つかるかも知れない。

そこで、レクター博士が逮捕後、収容されている、ボルチモア州立精神病院へ単身、向かったグレアムだったが・・・。

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映画のネタバレはありません、というか、この映画は(原作もそうですが)、「フーダニット」犯人当てクイズではないので。
殺人犯の側からも、描いているお話なので、犯人のことを書いても、差し支えないと思います。
ただ、最終的なストーリーにまでは、言及しませんが。

映画としては、これが最後に作られたんですよね。
原作としては、これが一番最初にレクター博士が登場した作品となりますが。

『羊たちの沈黙』がヒットして、確か、私も、原作本に手を出し、それまでに発行されていた、トマス・ハリスの本、この『レッド・ドラゴン』や『ブラック・サンデー』を読んだのですが。
そのときの印象は、ただ、怖い、の一言でした。
緻密過ぎる描写と、常人には想像もつかない、異常な世界が展開されていて。
まだ当時は、検視官シリーズもなかった時代ですから。
とにかく、『羊たちの沈黙』も、『レッド・ドラゴン』も、手にして読むときは、いつも、まるで、お化け屋敷に足を踏み入れるような感覚で。
でも、とても読み応えがありました。

そして、映画『羊たちの沈黙』(1991年)の素晴らしさは、言うまでもないことで。

一方の『ハンニバル』(2000年)は、それに反して、単なるグロテスクの塊に思えて、一度読んだだけで、もう、お腹いっぱい、というか、もういいや、というカンジ。
映画は、それなりに、残酷な部分を抑えてあった分、逆に、ぬるま湯みたいになっちゃって、どっちつかずでしたね。
クラリス役のジュリアン・ムーアは、FBI捜査官のタフさはなかったけれど、綺麗でしたが。
まあ、普通の映画。

そして、起死回生(?)というか、映画三作目の、この『レッド・ドラゴン』。
原作の印象が、いまだに強くて、どんなものかなあ、と思いながら、見ましたが、『ハンニバル』よりは、随分、マシになっていて、ホッとしました。
使っている、どの俳優さんも、派手さはないけれど、演技派で固めて来てますからね。
個人的には、何と言っても、オープニング・タイトルを見て、「えっ、ハーベイ・カイテルが出てたの?!」ってなカンジで(笑)
大好きなハーベイ・カイテルは、ジャック・クロフォード役でした~。

『羊たちの・・・』では、誰が演ったんだっけ、と思っていたら、グレン・スコット。
確かに、このお話では、原作を読めば分かるんですが、クラリスとの関係もあるし、ちょっと、ナイーブな部分があって、色気のある男性のほうが良いんですよね。
そういう意味で、この配役は正解だったと思います。

そこで、ハーベイ・カイテルでは、ちょっと、岩みたいで、ゴツ過ぎる((^^;;
まあ、今回の『レッド・ドラゴン』では、グレアム捜査官の精神的な支えでもあるので、ハーベイ・カイテルで正解かも。
ほんと、彼の顔、好き(笑)

グレアムの奥さん役、メアリー・ルイーズ・パーカーも、『ホワイトハウス』の出演で、とても好きになった女優さん。
こういう、勝気な顔が好きかなあ。

そして、今、公開中の『カポーティ』で主役のカポーティ役をやり、見事、アカデミー主演男優賞を得た、フィリップ・シーモア・ホフマンも出演。
こういう、言ってみれば捨て駒みたいな役の人が、アカデミー主演男優賞を獲得って、珍しいことじゃないでしょうか。
それだけ、確かな演技力を持っている、ということでしょうが。
ちなみに、この『カポーティ』、今、一番見たい映画です。

あとは、犯人役が・・・
原作のイメージとはあまりに違って、怖さを感じなかったかなあ。
なんだか、精神病を病んでイラクから帰ってきた帰還兵、みたいなノリが。
もっと、この犯人は、ゾッとするような恐怖を、想像もつかないほどの、精神的な病を感じさせてくれないとダメでしょう、と。
以前も書きましたが、狂気を演じることの出来る人間って、やっぱり、限られていると思います。
どこかに理性が見えてしまっては、そこで全てが崩壊しちゃう。

その点、『羊たちの沈黙』でのジェイム・ガム役の俳優さんは、見ているだけで、何をするか分からなくて、怖かった。
今回の犯人は、日常の生活に紛れ込んでいるけれども、そこには隠れた、底知れぬ狂気があるはずで。

名前が知れている俳優さんより、無名の俳優さんのほうが、イロがついてなくてよかったんじゃないかなあ。

映画としては、『羊たちの沈黙』ほどの完成度を期待してはダメだけれど、俳優陣がかなり良いので、それなりに見れる映画かと思います。
猟奇的な部分も、あまり描かれていないし、スリラー映画として、レクター博士の様子を楽しむには、いいかも(?)

もし、恐怖を味わいたいなら、ぜひ、原作本のほうを。
あんなグロテスクな本が、よくベストセラーになったなあと驚いたほどの『ハンニバル』より、何倍も、出来は良いです。
想像力を掻き立ててくれる本のほうが、全て見せられてしまう映画よりも、ホンモノの恐怖を味わうには、むしろ、良いのかも知れませんね。


(最後は、映画のラストについて。ネタバレはないですが、見たくない人は、もう、ここからは読まないで下さいね~)

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そして、映画のラストは、覚えている原作とは違った気が。
もっと酷いことになっていたような気がしたんですけど・・・。

たぶん、それを示唆した部分が、原作の『羊たちの沈黙』で、レクター博士の台詞にもあったような。
ただ、『レッド・ドラゴン』の原作は、実家に置いてあって、かなり前に読んだ記憶では、そうなっていたはずなんですが。

でも、映画として、それはやはり、そこまで描いてしまうと、残酷すぎて、映倫にも引っかかり、マズイのかな、とも思いました。
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by akiko_mama | 2006-10-10 08:37 | 映画