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史上空前の論文捏造
『史上空前の論文捏造』
(NHKーBSドキュメンタリー)

私がこの番組を見たのは一昨日でしたが、実際は、昨年の10月に放映されたもの。
そして、6/13に行われた、カナダの「バンフテレビ祭」で、ロッキー賞「科学・自然部門」を受賞した作品とのことでした。
受賞記念で放映になったのですね。

内容は・・・

最先端の科学界において、29歳という若さで、次々に「ネイチャー」や「サイエンス」といった一流誌に論文が掲載された、ヘンドリック・シェーンという科学者の話です。
超伝導という研究分野で、それまで、日本人の科学者が持っていた記録を大幅に塗り替えた研究結果を発表し、一躍、有名人となりました。
彼の論文に追随する形で、世界中の科学者が、同じ結果を得ようと、高価な研究器具を買い集め、何年もかけて、実験に取り組みますが、誰一人として、シェーンと同じ結果を出せた者はいませんでした。

シェーンの論文には、世界的に権威ある有名な教授が共同研究者として名を連ねていたため、その論文が捏造されたものではないかと、思うものは誰もいなかったのです。
逆に、シェーンは神の手を持っているのではないか、とまで囁かれていたほどでした。

しかし、シェーンが一流誌に次々と発表した論文は、ほとんどが捏造だったことが、やがて、発覚します。
しかし、その責任を取ったものは、誰もいませんでした。

若き一人の科学者による、論文捏造によって、何年も踊らされた世界中の科学者たち。
医学や生化学とは違い、急増している論文捏造に対応する機関は、科学には、まだ存在していません。
最先端の分野で、誰がどうやって、真実を見極めるのか。
これからの大きな課題が突きつけられたドキュメンタリーでした。

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by akiko_mama | 2005-06-30 10:22 | TV
キプロス島・その後
『ヨーロッパ最後の壁 ~キプロス 民族紛争の解決に向かって』
(地球街角アングル・HNK-BS1)

地中海に浮かぶ島、キプロスは、一つの島の中が二つに分断され、未だに壁が存在している国です。
南は、ギリシャ系住民が住むキプロス共和国。昨年、EUへの加盟が承認されました。
北は、トルコ系住民が住む、北キプロス。ただし、国家として認めているのはトルコのみで、世界的には、ここは「国」ではありません。

1974年に、住民紛争を鎮圧するため、トルコ軍が侵攻して以来、この島は南北に分断され、長い間、紛争が続き、住民同士が殺し合い、憎みあってきました。
そして、ドイツのベルリンの壁が崩壊してのち、このキプロス島にある、南北分断の壁のみが、唯一、ヨーロッパに残された「壁」となったのです。
北と南の間には、緩衝地帯があり、今は、国連軍が常駐しています。
昨年の春には、やっと、ビザとパスポートがあれば、南北で、人の行き来が出来るようになったそうです。

憎みあうだけでなく、互いに理解しあい、友好を深めていこう。
そんな運動が、若い世代を中心に、今、キプロスで広まりつつあります。
北と南に分かれて住みながらも、この運動がきっかけで、友達になったという、二人の女子高校生を番組では紹介し、これからのキプロスを模索する、住民たちの姿を描いていました。

*********

この『地球街角アングル』は、以前の番組、『ヨーロピアン・ライフ』のときから、好きな番組で、よく見るのですが。
今回、キプロスのレポだと知り、これは絶対に見たいと思ったのでした。

というのも、このキプロスという島のことを、昨年、『終わりなき戦いの地』(セバスチャン・ユンガー著)で読んで、初めて、その実情を知って、衝撃を受けて以来、とても興味を持っていたからです。

昨年のEU加盟の投票も、新聞紙上で興味深く、読んでいましたが、その後は、住民たちが、どうなったかを知る手立てはありません。
「戦争」や「事件」が起こらない限り、なかなか、ニュースにはならないものだから。
そんな矢先、この番組で、南北を分断していた壁を行き来することが出来るようになり、少しずつ、人々の交流も始まっていると知って、ほっとしたのでした。

「壁」は、島の中に横たわっているだけではなく、住民たちの心の中にも存在していました。
番組で紹介されていた女子高校生の二人が、互いに、ギリシャ系の人たちは、恐ろしくてモンスターみたいだと学校で教わりました、とか、トルコ系の人たちは、とても残虐だと学校で教えられました、と言うのです。
そうやって、互いに憎みあうように、子供の頃から、教えられてきてしまったのですよね。

でも、同じ島に住みながら、憎しみ合い、互いを理解しようとしないのは、愚かとしか言いようがありません。
30年ほど前の、紛争までは、ギリシャ系住民も、トルコ系住民も、一緒に、この島で暮らしていたのですから。

少しずつ、そんな関係が、住民同士の努力によって、変わりつつあるという姿に、希望が感じられました。

『終わりなき戦いの地』には、かなり悲惨で絶望的な状況が書かれていたので、もう一度、読み返して、どこが、どう変わったのか、どう変わろうとしているのかを確かめてみたいなとも思いました。
(早速、昨年、本を読んだあとに書いた日記や、セブンアンドワイでの紹介文などを読み返し、この本には、かなり衝撃を受けていたことを、改めて、実感しました((^^;;)

◆『終わりなき戦いの地』(セブンアンドワイで紹介してます)

◆『終わりなき戦いの地』を読んだときの読書日記(2004/01/22)

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by akiko_mama | 2005-06-29 19:34 | TV
月のひつじ
『月のひつじ』
原題;The Dish
2000年・オーストラリア

オーストラリアの片田舎にある小さな町、パークス。
その広大な牧羊場の中に、ぽつんと、大きな皿の形をした衛星アンテナが宙に向かって立っていた。
その、のどかな環境にある、パークスの巨大アンテナが、一躍、オーストラリア中の注目を浴びることになる。
アンテナが南半球最大ということで、アポロ11号による、人類初の月面着陸の映像を中継することになったのだ。
責任者クリフと若い技術者2人は、NASAから派遣されてきた職員とともに、その中継を何とか成功させようとするが、次々と予想外のアクシデントが起こってしまい・・・。
田舎町パークスの気さくな人々の姿と、プロとしての責任感を持ちながらも、マイペースに仕事をする技術者たちの、ハート・ウォーミングなストーリー。

最初、TV欄で見たときには、『アポロ13号』みたいなドキュメンタリー風の映画なのかしら、と思っていました。
実際にあった実話を元にしているということだったし。
でも、オーストラリアの映画なんだったら、ちょっと古臭い感じなのかなあ、なんて。
しかし、見てみて、ビックリ。
テンポの良い、シニカルなギャグがあちこちに散りばめられて、それでいて、ほろりとさせてくれるし、アンテナ中継にまつわるドキドキ感も感じさせてくれて、久々に見た、面白い映画だったのでした!
おみそれしました~っ(><)

あの歴史的瞬間を世界中の人々が目に出来た背景には、実は、こんな隠れたストーリーがあったなんて★
私たちは、あの月面着陸の映像を知っているから、無事に中継されたということは分かっているんですが、でも、ほんまに大丈夫なんかいな、とこっちが心配してしまいそうにもなったり(笑)
でも、また、そこが、このパークスの人々の、素朴で、のんびりとした気質なんですよねえ。

邦題が何とも可愛いですよね。
『月のひつじ』だって★
原題は、大きな衛星アンテナが、お皿の形をしていることから、The Dishと呼ばれているので、単に、それを取っていますが、これは、邦題をつけた映画会社(?)の勝ち!
ほんわかとした映画のイメージにも、ピッタリです。
(そう、人類初の映像を捉えようとする、緊迫したシーンもあるけれど、じつに、映画全体が、何とも、ほんわかとした、癒される内容なのですよ~♪)

出演者は、主演のサム・ニール以外は、世界的には無名の、たぶん、地元オーストラリアの俳優さんだと思うんですが、みんな、ユーモラスで役柄にピッタリ。
子役の男の子も、キリッとカッコ良くて、可愛いです~。(将来がこれまた楽しみな・・・)

これは、映画を見たあとで知ったのですが、この映画を作った、ワーキング・ドッグという、オーストラリアの製作チームのメンバーは、当初、モンティ・パイソンみたいなギャグを作って、それで有名になったんだとか。
このギャグのセンスは、どちらかといえば、アメリカ風というより、イギリス風だよなあ、と思っていたら、モンティ・パイソンが原点にあったからなのですね。納得。

ワーキング・ドッグの代表、シラウロ氏のインタビューによると、この映画の発端は、チームのメンバーの一言、「そういえば、アポロ11号の月面着陸の映像は、オーストラリアで受信したんだよなあ」だったんだとか。
それを聞いたほかのメンバーが、「うそこけ」とか「夢でも見たんじゃないか」と口々に言い出したけれど、いや、確かそんな話を聞いたことがあるよ、ということになって。
それで、確かめてみると、本当だったので、それは面白い、というところから、この実話をもとに映画を作ろうということになったんだそうです。
そんな、ちょっとしたキッカケで、こんなステキな映画が出来たなんて。
(でも、当初は、いつも通りのお笑い映画にするつもりだったんだとか(笑) そうならなくて良かった・・・)

◆そんなシラウロ氏の「地球人インタビュー」はこちら

とにかく、予想外に、ものすごく好きになってしまった映画でした。
ここ最近、私が見た映画の中でも、イチ押しです!
ぜひ、この小品ながらも、素晴らしい作品を、見て、笑って、ほんわかと楽しんで下さい(^-^)

そして、また、ワーキング・ドッグ製作の、映画第一作目『ザ・キャッスル』も、評判だったらしいので、ぜひ、見てみたいなあと思いました★

◆『月のひつじ』オフィシャル・サイト

60年代当時の、月面着陸に対するロマンティックな雰囲気がとっても感じられる映画で、サイトでも、その雰囲気が味わえます。
羊の耳がぴくぴくするのが可愛い~(笑)

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ジャケットの子役の彼は、別に主役じゃないんですけれども((^^;;
それに、羊も主役じゃないんですけれども(笑)
でも、両方とも可愛いから許すわ(笑)
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by akiko_mama | 2005-06-13 08:33 | 映画
ブレイブ
『ブレイブ』
原題;The Brave
(1997年・アメリカ)

自らの命と引き換えに、残された家族のために大金を稼ごうとするラファエロ。
ゴミ投棄場の横に住み、前科もある、ネイティブ・アメリカンである彼は、仕事にもつけず、これより他に、金を得る手段は無かった。
自分に残された一週間の期限を待つあいだ、ラファエロは、家族と接し、小さな息子に「勇気」とは何かを教える。
最後の時間が来れば、自分もまた、「勇気」を試されることになるのだから。

ジョニー・デップが主演、脚本も担当した初めての監督作品ということで、以前から見たかったのです。
そう思って、TSUTAYAで探していたのですが、探し方が悪かったのか、見つからず((^^;;
そんなときに、TV放映があると知って、良かった~、と。

脚本にはジョニデの実兄も参加。
特別出演はマーロン・ブランド。
音楽担当のイギー・ポップは、映画の中にも、ちょろっと出てきています。(モブシーンの中の1シーンですが、あれ? 今のって、イギー?と思ったら、やっぱり、そうでした)
あと、『ダンス・ウィズ・ウルブス』にも出演していた、ネイティブ・アメリカン出身のフロイド・レッドクロウ・ウェスタマン演じるパパが、渋くてカッコ良い!(←オヤジ好き・・・((^^;;)

ただ、上では、詳しくは書きませんでしたが、本当のストーリー設定は、かなり残酷。
(詳細は、[続きを読む]以降に)
これが、ネイティブ・アメリカンの現実かも知れないとは思いつつも、やるせなくなってきます。
だからこそ、ジョニデが、この原作を映画化して、自ら監督しようと思ったのかな。
こういう、インディーズっぽいテーマを選ぶあたりが、ジョニデが、どんなに売れても、ハリウッド・スターとは一線を画している所以じゃないかなあ、とも思うのです。

しかし、こういう小汚い役柄が似合うジョニデって、本当にステキ・・・((^^;;
もし、他の男優さんが演じていればどうだっただろうと、いつも思うんですが、どんな若手人気俳優が、このラファエロを演じたとしても、ジョニデほど、繊細な役にはならなかっただろうし、映画の雰囲気自体がガラッと変わってしまうだろうなと。

そのストーリーの設定上、いくらジョニデ・ファンとはいえ、誰にでも、見て見て、と気軽に薦められる映画ではないのですが、残酷な描写もOKなら、おすすめ。
決して、楽しい話ではなく、暗く、悲しい映画ですが。
でも、少なくとも、私は、見てよかったと思ったし、最貧困層であるネイティブ・アメリカンたちが、ガラクタやゴミに汚れた土地に住まざるをえず、そんな場所でも、彼らなりに生き生きと暮らしている姿を、ジョニデが見せてくれたような気がするから。

目前の死に向かって、黙って歩き続ける主人公を演じながらも、一方では、監督として、自らのルーツでもある、ネイティブ・アメリカンたちへの親しみ深い愛情を込め、悲しくも美しい映像を撮ったジョニデが、ますます、好きになったし、誇りにさえ思うのです。

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[続きを読む(※物語の内容に言及しています)]
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by akiko_mama | 2005-06-08 09:05 | 映画
スモーク
『スモーク』
原題;Smoke
(1995年・アメリカ・日本)

ニューヨークはブルックリンの街角に、一軒の煙草屋があった。
主人のオーギーの元には、毎日、常連たちがやってきて、煙草を吸いながら、さまざまなことを、しゃべっていく。
そんな常連の中に、小説家のポールがいた。
ポールは数年前に妻を亡くし、それ以来、一人きりで、この街に暮らしていた。
仕事が進まずにいた、その日も、ぼんやりと舗道を歩いていたポールは、ふらっと車道に出てしまい、車に轢かれそうになる。
それを助けたのが、ラシードと名乗る黒人の少年だった。
その御礼にと、数晩の宿をラシードに提供するポール。
だが、ラシードが出て行ったあと、彼の叔母だという女性が部屋にやってきて、彼は、そんな名前ではないし、帰ると言っていた家にも帰っていないと聞かされて・・・。

小説家ポール・オースターが書いた「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」という短編を素材にして、ポール・オースター本人による脚本をもとに、撮影された映画です。
ハーベイ・カイテル演じるオーギーと、ウィリアム・ハート演じるポールを中心に、彼らとその周囲の人々を描いた物語は、淡々としていながらも、どこか暖かみに満ちていて。
どこにでもいる普通の人々の生活の中の、ちょっとした出来事。
そんなエピソードが丁寧に積み重ねられていて。
決して、ダイナミックな展開があるわけじゃないけれど(小さな波は、まあ、それなりに((^^;;)、じっくりと、かつ、のんびりと、楽しめる映画です。

昨年の春に、NHK-BS2の衛星洋画劇場でニューヨーク特集があったときに放映になったので見たのですが、またもや、今回も、見てしまいました★
でも、何度見ても、人情味溢れる物語には、じんわり来てしまいますねえ。
くたびれたような煙草屋のオヤジという風情の、ハーベイ・カイテルが本当に上手いし(映画ラストのモノローグ部分での演技と言ったら!)、その相手役が、これまた演技派のウィリアム・ハートなんですから(><)
言って見れば、街のオヤジたちの物語?
そこに、ふとしたことから出会うことになった少年が絡んでくるんです。

トム・ウェイツの、何とも言えないしわがれ声で歌われる曲が挿入歌になっていて、これもまた、雰囲気を出してます。

95年ベルリン映画祭金獅子賞受賞。
95年度キネマ旬報外国映画ベストテン第2位。

味のある映画というのは、こういうのを言うのだなあ、と思います。

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ちょっと、誤解を生みそうなジャケットですが((^^;;
(ウィリアム・ハートを出さなくていいのか?(笑))
映画ラストになって語られる、「クリスマス・ストーリー」からの1シーン。
心温まる演技には脱帽です。
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by akiko_mama | 2005-06-05 22:53 | 映画
ルル・オン・ザ・ブリッジ
『ルル・オン・ザ・ブリッジ』
原題;Lulu on the Bridge
(1998年・アメリカ)

ニューヨークに住む、元・サックス奏者のイジーは、ある日、不思議な光を放つ石を手に入れる。
そして、その石がもとで、ウェイトレスをしながら、日々の生計を立てている女優の卵、セリアと知り合い、恋に落ちる。
音楽すら奪われ、全てを喪ったイジーにとって、セリアだけが光だった。
そして、その瞬間から、二人の生活は変わり始める。
どんなオーディションにも落ちてきたセリアが、有名な監督が撮る映画『パンドラの箱』のヒロイン「ルル」役に選ばれた。
撮影のために、アイルランドへ先に旅立ったセリア。
彼女をすぐに追いかけるつもりだったイジーだが、謎の男たちに追われることになり・・・。

映画『スモ-ク』で脚本を書いたことから、映画制作に興味を持ったという、作家ポール・オースターが脚本、初監督を担当した作品。

ポール・オースターの友人だというニューヨークの有名ジャズ・ミュージシャンたちが、良い音出してます。
その辺りは、監督ポール・オースターのこだわりが見て取れます。

映画の内容としては、大人のおとぎ話。
個人的には、セリフ回しなど、『スモーク』のほうが何倍も好きかなあ。
観念的な小説を、そのまま、観念的な映像にすればいいというものではなく、映画には映画の見所というものがあると思うのです。
まあ、私は、元ジャズ・ミュージシャンという役柄のハーベイ・カイテルを見れたので、それで良いんですけれども(笑)

「博士」役で出てくる、ウィレム・デフォーも、ものすごく不気味((^^;;
ヒロイン・セリアよりも、元・妻役のジーナ・ガーションのほうが、色っぽくて、エキゾティックでよかったなあ。
そして、セリアのエージェントとして、かかってくる電話の声が、ストッカード・チャニングだったというのは、後で知ったのですが、オドロキ。
ただの電話なのに~((^^;;
『スモーク』にも出ていた縁なのでしょうか。
女流監督をヴァネッサ・レッドグレイヴが演じていますが、貫禄があって、とってもステキです。

ちなみに、この映画での、淀川長治さんの評論は、こちらです。
映画のタイトルの秘密などが書かれていて、そうだったのかあ、と。
でも、映画に対しては、かなり辛口?
◆淀川長治の銀幕旅行


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by akiko_mama | 2005-06-03 10:00 | 映画
K-19
『K-19』
原題;K-19 The Widowmaker
(2002年・アメリカ)

1961年ソ連。
冷戦の真っ只中、新式の原子力潜水艦K-19は、ミサイル発射訓練などのため、北海へと向かっていた。
新しく就任したボストリコフ艦長は、手厳しく、無茶な訓練を昼夜問わず繰り返し、乗組員たちからは不評を買っていた。
だが、そんな折、原子炉にヒビが入っていることが分かる。
このままでは、潜水艦全体の放射能汚染は免れない。
原子炉担当の乗組員たちが、修復を行うことになったが、この潜水艦には、放射性物質から身を守るはずの防護服が積まれてはいなかった・・・。

ハリソン・フォードが主演、製作総指揮を担当した、潜水艦パニックものです。
関係者は、28年間、この件について口外することを禁じられていたという実話だとか。
ソ連の体制下では、それもそうでしょう。

厳格な軍人であり、自分の信念を曲げようとはしない艦長を演じたハリソン・フォードと、肩を並べるのは、乗組員たちに慕われているボレーニン副艦長を演じるリーアム・ニーソン。
何だか、雰囲気的に同じ役者さんである、この二人が共演ということで、役柄がだぶらないかなとも思っていたのですが。
ちょっと、雰囲気が似すぎていたかな?
でも、この映画は、他人の意見には耳も貸さない、ガンコおやじの見本のような艦長が成長する物語でもあると思うのです。
その一端を担う重要な役柄には、やはり、リーアム・ニーソンくらいの役者でないとダメだったのかも。

それはともかく。
とにかく、若い乗組員たちが、次々と放射能汚染にまみれた部屋に入っていって、過酷な場所で10分間の作業を終えて出てきたあとの悲惨さ。
潜水艦という、密閉され、閉じられた場所の中での、恐怖が克明に描かれています。

原題の副題は、映画の中でもちらっと出てきますが、「未亡人製作機」。
それだけ、生きて帰ってくる乗組員は少ない、ということです。
予算が無いために、杜撰な作りになった原子力潜水艦という諸刃の凶器で、死の航海に出てしまった乗組員たち。

アクション映画とはいえ、冷戦時代のソ連の話という、地味な映画ながらも、ハリソン・フォードが製作総指揮として参加し、お金を出そうと思ったのは、そういう三十年以上も前の、実際に起こった原子力事故をこのまま葬るわけにはいかない、そして、それは結局、現代にも通じる警告なのだと受け取ったせいかも知れません。


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しかし、タイトルを、もう少し、何とかすれば良かったのかな?
警察犬が出てくる『K-9』とか、その続編の『K-911』とかもあるので
何だか、ややこしいです~((^^;;
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by akiko_mama | 2005-06-02 10:04 | 映画